パッと見て、意味がよくわからないビール用語はけっこうありますね。
・エール
・ラガー
・発泡酒
・ホップ
・一番搾り
・第三のビール
・クラフト
・クラシック
本記事では「エール」「ラガー」「発泡酒」「ホップ」「第三のビール」等、よく出てくるビール用語をまとめます。
読み進めることで、ビールに対する理解がさらに深まるでしょう。
【ビール用語】エール、ラガー、発泡酒、ホップ、第三のビールとは?
「エール」「ラガー」の違い
・エール=上面発酵。濃厚な味わい。歴史は古い。
高温 (20-25度)で短い期間 (3-4日で発酵、2週間で熟成)で作る
・ラガー=下面発酵。のどごしが良くてすっきり爽快、ゴクゴク飲める。中世以降に生まれ、比較的新しい。
低温 (0-15度)で長い期間で作る(7-10日で発酵、1か月で熟成)
※低温のため雑菌が繁殖しにくく、製造管理がしやすい
2つのちがいは「酵母をどこで取るか」です。
ビールの原料は大麦で、大麦を発芽させてモルト (麦芽)にします。
■ビールの製造過程
【製麦】浸麦 – 発芽 -焙燥 (乾かして根っこをとる)
↓
【粉砕】モルト(麦芽) をつぶして砕く
↓
【仕込み】お湯をまぜ、おかゆ上にする。ホップを投入する
↓
【発酵】酵母を投入。糖を食べて、アルコールと炭酸ガスを生み出します
↓
【熟成】残った糖を最後の仕上げで低温発酵します。
↓
【濾過・熱処理】発酵につかった酵母は、ろ過するか、熱処理するかで殺し、働きを止めます。(発酵しすぎを防ぐ)
※ろ過が一般的。クラフトビールは無ろ過が多いが、酵母が生きており発酵が進むので、賞味期限は短くなります。
※ ホップとは、ビールの原料となる多年生植物です。
焙燥の温度を高めたり、さらに焙煎 (加熱乾燥)すると、色が濃く香ばしくなります。色が濃いビールや黒ビールは、この過程で作られます。
焙煎ときくと、コーヒー作りの際に使われますね。焙煎深度という尺度があり、焙煎深度が浅ければ酸味が強く、深ければ苦味が強いコーヒーが作られます。短い時間で焙煎すると深度が浅く、長い時間をかけると深まります。
ピルスナー:ラガーの種類の1つ
シュバルツ:ドイツで生まれた歴史あるラガースタイルのビール。ドイツ語でシュバルツは「黒」という意味。ドイツの詩人・ゲーテが好んだことでも知られるビーですル。
ペールエール【Hazy IPA/ Brut IPA / Black IPA】
イギリス発祥の、モルトのコクやホップの香りがふくよかに感じられるビアスタイルです。
「ペール(=色が淡い)なエール」のこと。
ヘイジーIPA(India Pale Ale):Hazy(=にごった)ペールエール。モルトに含まれるデンプン質やタンパク質、ホップの成分が多く含まれるため、にごります。
そのほか「Brut IPA」や「Black IPA(=黒いIPA)」があります。
一番搾り
最初にろ過した麦汁のことです。
「第三のビール」「発泡酒」のちがい
第三のビールとは「発泡酒とは別の原料・製法で作られた、ビール風味の発泡アルコール飲料」の名称です。
ビールとの誤認を防ぐため「新ジャンル」とも呼ばれます。
酒税法上「ビール」にも「発泡酒」にも属さないため、このような呼ばれ方をします。
※ 酒税法上、ビールの定義は「麦芽使用率が67%以上で、かつ醸造酒であるもの」
醸造酒とは、原料を酵母によりアルコール発酵させて作られた酒です。蒸留をせずアルコールを発酵させたまま飲むのが一般的です。
第三のビールが誕生した背景には「酒税高すぎ問題」があります。
この税率がくせもので、ビールの酒税は350mlあたり77円のため、350ml缶ビールの値段を200円とすると、4割弱が酒税となってしまいます。
※ 発泡酒:47円~77円、第三のビール:28円(1缶で50円も違う)
ところが、ビールに味が似ていても、ビール風味の別の飲料とすることができれば、この高い税額がおさえられるわけです。
そういった背景から、ビールのようでビールでない「第三のビール」が誕生しました。
ちなみに、発砲酒とは、以下の定義のいずれかに当てはまる飲料のことです。
・麦芽比率50%未満
・麦芽比率50%以上であっても、ビールに使える原料以外の原料を使用
・麦芽比率50%以上であっても、規定量を超えて副原料を使用
要するに、麦芽を使っていさえすれば、だいたい発泡酒になります。
クラフトビール
大手のビール会社が量産せず、小さい規模の醸造所で作ったビールのことです。
「Craft = 手作りの、職人技の」という意味です。
クラシック
ビール本来のうまさにとことんこだわり、副原料を一切使用しない麦芽100%の生ビールのことです。
生ビール
熱処理を行わないビールのこと。
※ 最近では、醸造技術の発展により、熱処理せずろ過により酵母を除去する生ビールが大半となっていますが。